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vol.01 醸造所が誕生するまで

vol.01 醸造所が誕生するまで

重ねてきた経験

オープンエアのストーリーは、代表の村上豪英の個人的な経験からはじまります。

村上は、神戸市兵庫区の総合建設業「村上工務店」を経営するとともに、神戸モトマチ大学というコミュニティカレッジの代表や、神戸の都心の公園「東遊園地」の社会実験URBAN PICNICの事務局長などをつとめていました。

2019年には東遊園地に施設を整備し運営する事業者として選ばれ、都心の価値を上げる公園のありかたを模索し続けています。

 

湊山小学校のこと

同じ2019年、閉校になった神戸市立湊山小学校の跡地を活用する事業者が公募されることを知りました。

この小学校がある兵庫区北部は、市内の主要駅からも距離は近いものの、少子高齢化が進んだエリア。平清盛の邸宅があったとされる場所に立つこの小学校の跡地を、地域の活性化のために役立てることはできないだろうか。

そのため、地域に必要とされる機能はなにか、模索がはじまりました。

 

Nature Studioの完成

コミュニケーションのためには飲食店、エリアの高齢者に必須のヘルスケア関連施設、みどり豊かなエリアをつくるためのハーブショップなど、必要な機能が次々に浮かび上がり、企画書に盛り込んでいきました。人の流れをつくるために、みなとやま水族館という集客施設も企画しました。

コンペを経て事業者として選ばれた村上工務店は、東遊園地の運営を担うリバーワークスとともに、小学校跡地の企画とリニューアルの準備を重ねました。

2022年、Nature Studioと名づけられた小学校跡地は、多くの来場者を地域に招き続けています。

 

給食室の跡地をどうするか

旧校舎のリノベーションに向けて検討を続けるなか、つかいかたが決まっていなかったのが給食室でした。

給食室というのは、日当たりがあまりよくない校舎1階の片隅にあることが多く、一般的な集客テナントにはあまり向いていません。ただ、床には傾斜と排水溝があり、直射日光があまりあたらないことから、食品製造には向いている場所だと感じました。

平清盛の伝承が残るこの地で、何か新しいものをつくりたい。
その「何か」はクラフトビールではないか。そんな想いが芽生えてきました。

Nature Studioから全国にビールを届けることで、この施設にも注目を集めることができる。20代の時から、いつかビール製造に関わりたいと願っていた村上は、夢を実現するチャンスが巡ってきたと感じました。

 

Benとの出会い

ビール製造を、夢から現実の目標に変えるためには、まずは醸造所の視察から。Nature Studioの計画に共感して参加してくれた飲食企業ワールド・ワンの河野さんたちと、いくつかのクラフトビール醸造所の視察に赴きました。

はじめに行ったのが和歌山県のノムクラフト。とても丁寧に醸造のことを教えてくれたブルワーが、オレゴン州ポートランド出身のBenでした。

醸造の勉強を重ね、開業の想いが強くなったころ、和歌山県からかつて住み慣れた兵庫県にちょうど戻りたいと考えていたBenから、神戸での新プロジェクトに参加したいという希望を聞きました。ブルワリーの開業には、醸造経験者が欠かせません。偶然では片付けきれないタイミングのよさに、運命的なものも感じて合流してもらうことになりました。

 

旅の仲間たちとの出港

2021年7 月の法人設立以降は、醸造設備の手配や免許取得の準備を重ねながら、このプロジェクトに参加してくれるメンバーを探しました。

一人ひとりの紹介は別の記事にしますが、日本酒の醸造経験者の大地くんや製菓会社でのマーケティング経験者の夏実さん、ICTを使ったプロモーション経験者の姜さんなど、とても頼りになる仲間が集まりました。

醸造設備の搬入と免許の取得を終え、オープンエア湊山醸造所は2022年4月、ファーストバッチであるbreakthroughの仕込みから醸造をスタートしました。検討を本格的に開始してから約2年、ちょうどNature Studioがプレオープンを迎えたころでした。